「毎日吐きそうなくらい」清野菜名が明かす初主演作の苦労〈月9「119エマージェンシーコール」きょう第1話〉 | AERA dot. (アエラドット)

清野菜名(せいの・なな)/1994年生まれ。愛知県出身。2014年、園子温監督の映画「TOKYO TRIBE」でヒロインに抜擢される。17年、帯ドラマ劇場「トットちゃん!」で黒柳徹子役を演じ、全国ネットのドラマで初主演。現在、「やすらぎの刻~道」に出演中 (撮影/篠塚ようこ、ヘアメイク/光野ひとみ、スタイリスト/下山さつき)

この記事の写真をすべて見る俳優の清野菜名が主演する月9ドラマ「119エマージェンシーコール」(フジテレビ系・毎週月曜午後9時/初回15分拡大)の第1話が13日放送。同ドラマは、消防局の通信指令センターを舞台に、1本の電話で命をつなぐ“最前線”に立つ指令管制員たちのリアルを描く完全オリジナルストーリーの群像劇。清野菜名は横浜市消防局司令課3係で通話を受ける粕原雪を演じる。そんな清野菜名の過去の人気記事を振り返る(「AERA dot.」2023年3月28日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時のものです。)

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昔のアルバムを開く。そこにいるのは、真っ黒に日焼けした少年のような女の子。膝や肘や脛には、痣やかさぶたがいくつもあった。

「活発だったなぁと思います。将来は何でもいいからスポーツ選手になりたかった。でも、小学校6年生の時、ローティーン向けファッション誌のモデルになって、いろんな芸能の仕事に興味を持ち始めて。中3の時は、陸上で高校の推薦をもらうか、本格的にこの仕事をやっていこうか迷った揚げ句、反抗期で親元を離れたかったこともあり、単身、上京することにしました(笑)」

清野菜名さんは高校に通いながら、オーディションを受ける日々。審査員を前にすると、顔が真っ赤になり、それが恥ずかしくていつも下を向いていた。

「精神的にキツかったのは、高校を卒業してから。だって、先々のスケジュールが、受かるかわからないオーディションとバイトで埋まっていくんですよ! 普通に就職したら、決まった休みももらえて、自分でスケジュールも立てられるし、そっちのほうがいいんじゃないかと」

「もう実家に帰ろうか」と諦めかけた時、映画「TOKYO TRIBE」のオーディションがあった。キャストのオーディションは落ちたが、アクションメンバーのオーディションで、「アクションをしていると輝いて見える」と、園子温監督の目に留まり、急遽ヒロインに抜擢された。

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清野菜名2025/01/13/ 21:00

菊地陽子

「撮影中は、のしかかるプレッシャーに、毎日吐きそうなくらいでした。本当に苦しかったです。『この壁さえ越えれば次はこれだけだから』と、カウントダウンしながら、何とか乗り越えられた。あの作品との出会いが、私の人生の転機になりました」

以降、ドラマ、映画、舞台と一気に活躍の幅を広げた。現在放送中の、帯ドラマ劇場「やすらぎの刻~道」では、シリーズ前作に続いて出演。昭和編のヒロインを演じている。

「前作の『やすらぎの郷』が終わった後、(脚本の)倉本(聰)さんにお手紙をいただいて、最後に、『売れている時ほど、勉強すること。それがすべてです』と書いてあった。『売れている時』という表現が自分に当てはまるかどうかはさておき、いろんな作品に出演できるからこそ、勉強がたくさんできるんだと思いました。お手紙のその部分を、額に入れて飾ってあります。家宝です」

一昨年は、豊洲にあるIHIステージアラウンド東京で上演された「髑髏城の七人 Season花」にも出演。85ステージを無事完走し、今年、2年ぶりに劇団☆新感線の舞台「けむりの軍団」に出演する。

「新感線は、高校生の時にオーディションを受けて落ちています(笑)。なので、一昨年、お話をいただけた時は、本当に嬉しかった。ただ、客席が回転するステージは本当にハードだったので、戻りたくはないかな(笑)。今回の舞台も、私なりに暴れられたらと思っています」

(取材・文/菊地陽子)

週刊朝日 2019年7月5日号

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