【NBAトレード評価】ドンチッチとデイビスのビッグトレードをどう見る レイカーズとマーベリックスがトレード

今年のトレード期限は例年に比べて静かに終わるのではないかというのが予想されていた。

しかしやはりそこはNBA、全てが劇的だ。『ESPN』のシャムズ・シャラニア記者が大型トレードを報じると、「1000%真実だ」と念押ししないといけないほどほとんどの人は彼のSNSアカウントがハッキング被害にあったのだと疑っていた。

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ルカ・ドンチッチはロサンゼルス・レイカーズでレブロン・ジェームズと手を組み、アンソニー・デイビスが代わりにダラス・マーベリックスへ移籍することとなった。ドンチッチは25歳で、今でこそケガで離脱中だが、シーズン前はMVPになる予想などもされるほどのスーパースターであるだけに、マーベリックスがなぜこの動きをしたのかはまだ多くの謎に包まれている。

ここでは両チームがなぜトレードしたのかを分析するが、マーベリックス側の意図の解明は困難かもしれない。何か根本的な事実がまだ明らかになっていない限り、NBA史上最悪のトレードをマーベリックスが行なったことになるかもしれない。

ルカ・ドンチッチとアンソニー・デイビスのトレード詳細

レイカーズ獲得:

  • ルカ・ドンチッチ
  • マキシ・クリーバー
  • マーキーフ・モリス

マーベリックス獲得:

  • アンソニー・デイビス
  • マックス・クリスティー
  • 2029年1巡目指名権(LAL)

ジャズ獲得:

  • ジェイレン・フッド・シフィーノ
  • 2025年2巡目指名権(LAC経由)
  • 2025年2巡目指名権(DAL)

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レイカーズ評価

確かにデイビスはレイカーズで良いシーズンを送っていたが、それにしてもだ。なんせ相手はルカ・ドンチッチ。今のペースでキャリアを送っていけば、ロサンゼルスで最低でも1回はMVPを受賞するだろう。昨季はマーベリックスをファイナルへと牽引する素晴らしいプレイを見せたばかりだった。まだ全盛期真っ只中であり、5シーズン連続でオールNBAファーストチームに選出されている。

ドンチッチは決して悪いシーズンを送っていたわけではない。スロースタートではあったものの、平均28.6得点、8.7リバウンド、8.3アシストまで数字をあげ、MVP争いに名を投じていた。クリスマスゲームでふくらはぎを負傷してから欠場が続いているものの、重症ではなかった。オールスター前後での復帰が見込まれている。

レイカーズにとってさらに旨みがあるのは、このトレードでドンチッチがスーパーマックス契約の権利を失ったことだ。スーパーマックスでドンチッチと契約できたのはマーベリックスだけだった。レイカーズがドンチッチとマックス契約で延長した場合、リーグトップ5クラスの選手を少し安上がりに契約できることとなるのだ。

もしレイカーズが持っているあらゆるアセットを放出していたとしても、彼らの評価はA+にしていただろう。今回の放出でのドンチッチ獲得は正に衝撃的だ。あらゆる面でこのトレードに勝利したと言って良いだろう。

もしマーベリックスがドンチッチを放出したいという気持ちがあったのであれば、他のチームからより魅力的なオファーはいくらでも貰えたはずだ。スパーズは9つの1巡目指名権を持っており、若いポイントガードを欲している。サンダーも9つの指名権に加え、ジェイレン・ウィリアムズやチェット・ホルムグレンといった良い若手がいる。

The Stein Line』のマーク・スタイン記者によればマーベリックスはデイビスのみに興味を持っていたとのことだが、そうだとしてもレイカーズからより良いオファーを引き出せたはずだ。

レイカーズは今回トレードした1巡目指名権の他に、2031年の1巡目指名権もトレードすることが可能だったが、マーベリックスのニコ・ハリソン・ゼネラルマネジャーはそれをなぜか取りに行こうとしなかった。レイカーズがこのトレードを実現するために2031年の1巡目指名権を要求されていたとしても、それにノーと突きつけるとは想像し難い。

さらにマーベリックスは自前の2巡目指名権をこのトレードでジャズに手放しているのだが、ここもレイカーズが代わりに出していてもおかしくない部分だ。レイカーズは複数の2巡目指名権を持ち合わせており、それを全てジャズかマーベリックスに送っていたとしてもトレードは充分に見合ったはずだ。

マーベリックスは最低でもオースティン・リーブスを獲得すべきだった。もしリーブス、デイビス、1巡目指名権2つ、2巡目指名権を全て獲得していたとしても、ドンチッチの価値とは釣り合わない。

この全く釣り合わないトレードを受けて、バスケットボール界は震撼している。筆者もその1人だ。

評価:A+

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マーベリックス評価

マーベリックス側がこのトレードをしたがる理由は不可解だ。スタイン記者によると、ドンチッチ自身はトレードを要求していない。トレードをしないといけないというプレッシャーがなかったのであれば、なぜ他のトレード先を模索しなかったのだろうか?

どうやらハリソンGMはデイビスを相当買っており、彼のようなビッグマンを獲得することがチームの優勝に繋がると信じているようだ。ただ問題は、昨季のチームのプレイオフ躍進の原動力はドンチッチだったということだ。

今季のデイビスは、守備的な面で例年よりも良くないが、デイビスの良くないシーズンはほとんどの選手にとっての良いシーズンだ。シーズン序盤はレイカーズのオフェンスの支柱となり、チームのベストプレイヤーとして活躍していた。

『ESPN』のティム・マクマン記者によれば、マーベリックスがドンチッチを放出した理由の一部として、彼のコンディショニング能力の低さがあるようだ。しかしデイビス自身も決してコートに立ち続けられるタイプの選手ではない。今年は割と健康なシーズンを送れているが、過去6シーズンで62試合以上出場したことは1回しかない。

デイビスがマーベリックスのチームにどのようにフィットするのかも少し疑問が残る。すでにデレック・ライブリー二世とダニエル・ギャフォードといった優秀なビッグマンが揃っている。デイビスを含めたこの3人はどれもストレッチ能力のある選手ではなく、カイリー・アービングにとってコート上のスペーシングはより狭まったと言えるだろう。

デイビスはオールスター選手であり、リーグのトップ20選手と呼んでも差し支えないだろう。しかし健康なドンチッチはリーグのトップ3選手だ。そしてデイビスより6歳も若い。マーベリックスは良いチームであり続けるだろうが、優勝のチャンスは大きく減った。

マーベリックスがなぜドンチッチをこれほども安く放出したのか、すでに色々な噂が出始めている。マクマン記者は彼の体重が270lb(122kg)を突破していたと報じている。まだなにか明るみに出ていない情報があるはずだ。もし無いのであれば、間違いなくこれは史上最悪のトレードとなる。

評価:F

ジャズ評価

このトレードを成立させるためには、ジャズがジェイレン・フッド・シフィーノの契約を引き取る必要があった。その代わりに、ジャズは2025年2巡目下位となるであろう指名権を2つ獲得した。

フッド・シフィーノはレイカーズの長期的プランにはすでに入っていなかった。元1巡目指名選手だが、その期待には応えることができておらず、ほとんどコートに立てていない。

ジャズにとって大きな獲得ではないものの、このトレードを実現させた事実が高い評価に繋がった。目の前でこの劇的なドラマが組み立てられていたダニー・エインジ。実現可能なものにしたことを評価したい。

評価:B+

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