前日計量をクリアした横浜海斗(左)と宮澤琉夏
プロボクシングのミニマム級4回戦(東京・後楽園ホール)の前日計量が5日、東京・文京区の日本ボクシングコミッション本部事務局で行われた。プロデビュー戦に臨む横浜海斗(26)=Dangan品川=はリミットより200グラム軽い47・4キロ、宮澤琉夏(21)=伴流=は47・3キロでともに1回でパスした。
計量を終えても緊張があまりほぐれていない様子だった海斗は「減量は初めてだったんで、体重が落ちるか不安でしたが、体重超過しなくてほっとしています。コンディションは良いです。勝ちたいです」と話した。
プロデビュー戦の前日計量をクリアした横浜海斗
小学生と中学生時代はサッカーをプレー。高校では茶道部で格闘技経験はなかった。ボクシングの強豪の東洋大へ進学したが、ボクシングとの関わりは一切なく、保育系の勉強をしていた。
23歳だった大学4年生の8月にDANGAN越谷ジム(埼玉・越谷市)にフィットネス目的で入会し、練習を重ねているうちにプロを志した。就職して東京へ引っ越したため、DANGAN AOKIジム(東京・新宿区)を経てDangan品川ジム(東京・品川区)所属となった。
アプリのエンジニアの仕事が忙しく、約1年間ボクシングから離れていた時期もあったが、その後、練習に復帰し、仕事終わりの遅い時間にほぼ毎日ジムワークを重ねた。昨年7月にプロテストを受験して合格。昨年2月に開業した元WBC世界女子ライトフライ級王者の富樫直美さん(49)が会長を務めるDangan品川ジムのプロ第1号となった。
海斗はデビュー戦を見に来てくれた方にプレゼントするため、自身の似顔絵キャラクターが描かれたビックリマンシールのようなシールを作成。
兄からはKO勝利を厳命されたが、元プロボクサーで富樫会長の夫の滝田優二マネジャー兼チーフトレーナー(43)は「フルマークの判定勝ちだよ」と力み過ぎないように言い聞かせた。海斗は「(試合用の8オンスの)グローブ(での被弾)は怖いので倒れたくないです。かなり気は弱いです」とネガティブモード。それでも「4ラウンド闘いたいです」と気持ちを前に向けた。
現在も所属ジムのプロボクサーは海斗だけだが、ワタナベジムなどでスパーリングを重ねてリングに上がる。プロ志望の練習生はジムに3、4人おり、海斗は「プロ2号、3号と僕に続いてほしい。僕の背中を見ててください」とジムの初陣でもあるプロデビュー戦を白星で飾ることを誓った。
対する2戦目で初勝利を目指す宮澤は「プロデビュー戦は技術も体力もフィジカルも足りなかった。体を作って、練習を重ねていくうちに手応えがあった。デビュー戦とは全然違います」と自信を示した。
興行はボクシング動画配信サービスのBOXING RAISEで午後5時50分から生配信される。宮澤のプロ戦績は1戦1敗。(尾﨑陽介)