前日計量を終え、撮影に応じる佐々木尽(左)と坂井祥紀 =横浜市西区(撮影・佐藤徳昭)
プロボクシングの東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック(AP)ウエルター級タイトルマッチ(東京・有明アリーナ)の前日計量が23日、横浜ベイホテル東急で行われた。統一王者の佐々木尽(23)=八王子中屋=はリミットの66・6キロ、挑戦者で東洋太平洋2位、WBOAP12位の坂井祥紀(34)=横浜光=は66・3キロでともに1回でパスした。
WBOAP王座5度目、東洋太平洋王座2度目の防衛戦に臨む佐々木はリミットで一発パスすると両手を広げて天を仰いだ。「明日は世界にアピールします。(世界王者)4人の名前を出して、挑戦状をたたきつけたい」と米国や英国など多くの国で生中継される試合でKO勝ちし、英語でアピールすることを目標にした。
バキバキの肉体美を披露した坂井は計量を余裕を持ってクリアして両手の親指を立て、グッドラックのポーズ。フェースオフ後は両者が軽くお辞儀をして別れた。佐々木は坂井について「げっそりしてて、結構水抜いたんだなっていう印象。倒せそうだなと思いました」と話し、自信を示した。
昨年10月21日から3週間、米ネバダ州ラスベガスで合宿を敢行。WBC世界スーパーライト級王者のアルベルト・プエジョ(30)=ドミニカ共和国=らとスパーリングを行い「ラスベガスに行ってだいぶ変わりました。特にディフェンスが良くなりましたね。だからそれを見せたいです」と長所の攻撃力だけでなく、守備力がアップしたとした。
坂井は22日に横浜ベイシェラトンホテル&タワーズで行われた最終会見で「どんな不細工な試合でも、どんなに泥臭くてもいいんで、勝ちを取りにいこうと思います」と勝負にこだわる姿勢を示した。これについて佐々木は「(興行の)セミファイナルとして、『判定でも泥臭くても勝つ』っていうのは、ちょっとプロとしてそれはどうなのかなと思う」と苦言を呈した。
世界ランキングはIBFとWBOが3位、WBAとWBCが4位と4団体すべてでトップ4入りしており、日本選手が世界王者になったことがないウエルター級で世界初挑戦を見据えている。「自分はプロとして、ボクシング界を引っ張っていくためには面白い試合をして盛り上げないと意味がないと思うんで、それを見せて、圧倒的な勝利をつかみたいです。KOしか狙っていないです。判定は負けだと思っているんで。勝っても負けなんで判定は。お客さんに負けてるじゃないですか」と持論を展開した。
興行はNTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で午後3時20分から独占無料生配信される。プロ戦績は佐々木が20戦18勝(17KO)1敗1分け、坂井が46戦29勝(15KO)14敗3分け。(尾﨑陽介)
下記は全対戦カード。
▼メインイベント(WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ)
統一王者の井上尚弥(大橋)vsWBO11位の金芸俊(韓国)
▼セミファイナル(東洋太平洋、WBOAPウエルター級タイトルマッチ)
統一王者の佐々木尽(八王子中屋)vs東洋太平洋2位、WBOAP12位の坂井祥紀(横浜光)
▼第3試合(60キロ契約10回戦)
日本スーパーフェザー級王者の奈良井翼(RK蒲田)vsWBOAP同級王者の渡邊海(ライオンズ)
▼第2試合(日本スーパーバンタム級タイトルマッチ)
王者の下町俊貴(グリーンツダ)vs同級13位の平野岬(三松スポーツ)
▼第1試合(WBOAPミニマム級タイトルマッチ)
王者の小林豪己(真正)vs同級3位の高田勇仁(ライオンズ)