若林宏樹(2025年1月撮影)
<陸上:別府大分毎日マラソン>◇2日◇大分市高崎山うみたまご前~大分ジェイリーススタジアム(42・195キロ)
今大会限りでの競技引退を公表している青学大・若林宏樹(4年)が、ラストランで日本人1位となった。日本人初マラソン最高&日本学生新記録となる2時間6分7秒(速報値)をマークした。
場内インタビューでは「10年間続けてきた陸上生活の有終の美を飾れた」とすがすがしい表情を浮かべた。初マラソンを「ひたすら長かったが、声援の『ありがとう』という言葉に救われました。山あり谷ありの陸上人生だった。最後まで諦めずに走り続けて本当によかった。やり切った」とかみしめた。
優勝したキプチュンバ(ケニア)には6秒及ばなかったが、今年9月の世界選手権東京大会の参加標準記録(2時間6分30秒)も突破し、日本代表に選出される可能性も浮上。TBS系で解説を務めた瀬古利彦氏から引退の意思を確認されると「本当に終わります」ときっぱり話した。
序盤から先頭争いに加わり、30キロ以降でも先頭集団を形成。国学院大・平林清澄、九電工・大塚祥平、キプチュンバとの争いとなった中、35キロ以降で飛び出し、平林と大塚を置き去りにした。
若林は今年の箱根駅伝で山登りの5区を走り、区間新記録を樹立。2年連続8度目の総合優勝に貢献し「若の神」との愛称で親しまれている。すでに大学をもって競技から退くと公表しており、今春からは日本生命で働く予定。1月19日の全国都道府県対抗男子駅伝後も「マラソンが最後となります」としていた。
TBS系で解説を務める原晋監督も、教え子の走りに驚嘆。「若林くんすごいね。『4代目山の神』の称号を与えます」と語りかけると、若林は「ははは。箱根じゃないですから」と鋭く切り返していた。