若林宏樹
陸上・別府大分毎日マラソン(2日・大分市高崎山うみたまご前―ジェイリーススタジアム=42.195キロ)今夏の世界選手権代表選考会を兼ねた大会。参加標準記録の2時間6分30秒を目指し、有力選手が激突する。国内からは2時間6分45秒の記録を持つ高久龍(ヤクルト)や昨年の大阪マラソン8位の大塚祥平(九電工)が招待選手として出場。一般参加では昨年の大阪マラソンを初マラソン日本記録(2時間6分18秒)で制した国学院大の平林清澄(4年)や、先月の箱根駅伝で5区区間賞を獲得した青学大の若林宏樹(4年)が出場する。
▼スタート~5キロ 正午時点でくもり、気温は8.5度、湿度89%、西北西の風1.5メートルの下スタートした。1キロあたり2分57秒~3分1秒前後の安定したペースでレースを進め、最初の5キロを14分56秒で通過。
▼5~10キロ 大塚ら有力実業団選手に加え、平林や高山豪起(国学院大3年)、若林ら積極的に先頭集団につく。10キロを30分0~1秒で通過。
▼10~15キロ さほど集団は崩れず、安定したペースで15キロを44分58秒で通過。平林や青学大、国学院大や立大の選手などの大学生も落ち着いた表情でレースを進める。
▼15キロ~中間点 16キロの給水で前回優勝のワークナー・デレセ(エチオピア)が転倒。20キロ手前で小野知大(GMOインターネットグループ)や稲塚大祐(立大4年)が集団からこぼれる。先頭は20キロを1時間0分2秒で通過。中間点付近の給水で国学院大の高山がもたつき、机に衝突する。
▼中間点~25キロ 24キロ付近で高久が集団から遅れ始める。先頭は25キロを1時間14分57秒で通過。先頭には平林や大塚ら有力選手がしっかり残る。
▼25~30キロ 27キロ付近で村山謙太(旭化成)が遅れ始める。28キロで弟の村山紘太(GMOインターネットグループ)も集団から離される。30キロを1時間29分49秒と世界選手権の参加標準記録が狙えるペースで通過。先頭集団は国学院大の平林、高山、大塚、デレセ、足羽純実(Honda)、青学大の若林と白石光星、ビンセント・キプチュンバ(ケニア)、ドミニク・ニャイロ(ケニア)の9人に絞られる。
▼30~35キロ 31キロでキプチェンバがペースアップし、平林らが反応するが、白石が集団からこぼれる。平林が集団を引き、32キロで足羽と高山が離される。33キロを過ぎ、先頭集団は平林、キプチェンバ、若林、大塚の4人。デレセとニャイロが少し離れて追う。
▼35キロ~ゴール 35.6キロの上りでキプチェンバが仕掛け、若林が対応。平林と大塚はやや離される。38キロで足羽が平林をかわして4位に浮上、平林は厳しい表情。40.4キロ付近で若林が前に出るが、キプチェンバも離されない。41キロでキプチェンバがギアをあげ、若林が離される。若林は苦悶の表情を浮かべ、懸命に腕を振る。キプチェンバが2時間6分1秒で優勝。若林が2時間6分7秒の初マラソン日本記録、日本人学生記録で2位に入った。