パナソニック、再びの構造改革に社員「またか」 楠見社長をせき立てる危機感

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パナソニックホールディングスが再び構造改革フェーズに戻る。4日、人員削減や売却も選択肢に含む事業選別を2025年度中に実施すると発表した。業績堅調の中、成長できなかった30年間との決別を狙う。だが定期的に訪れる構造改革に社員からは「またか」との声も上がる。

給湯器大手パロマの持ち株会社のパロマ・リームホールディングス(HD)は6日、TOB(株式公開買い付け)などを通じ、富士通子会社で空調事業を手掛ける富士通ゼネラルの完全子会社化を目指すと発表。富士通が切り離しを検討中と明かしてから2年以上を要したが、同社は構造改革を加速させる。

日立製作所は16日、德永俊昭副社長が2025年4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。COOを経ることなく、当初からCEOを兼任する、同社としては異例の人事だ。小島啓二社長は就任からわずか3年半で日立の株価を3倍超に押し上げたが、さらなる成長を加速するため、「大本命」の下での新…

シャープはAI(人工知能)を用いて家電の電力消費量を抑える住宅システムをデベロッパー向けに提供する。その導入第1弾となるのが、社員寮を売却した跡地に建設中の分譲住宅だ。なじみの土地から再起をかけたシャープの新たな挑戦が始まる。

コンテナ型データセンター(DC)の利用価値が見直されている。コンテナ型DCは2010年ごろからクラウドサービスの普及や災害時などの事業継続計画(BCP)の観点で利用されてきたが、足元では急激に高まる生成AI需要を陰で支える役割を担っている。

船井電機が破産手続きを始めた。米ウォルマートと組んで成功を収めたが、中国勢の猛追でコスト競争に敗れた。10年以上米テレビ事業に代わる収益源を探し続けたが、ついぞ見つからないままだった。

10月中旬、IT(情報技術)関連展示会「CEATEC」と自動車展示会「ジャパンモビリティーショー」が初めて併催される。新製品を大々的に展示する見本市の意義が薄れる中、参加者がつながる「共創」を重視する。国内展示会の新しい価値を示せるか。

パナソニックが9月1日に発売した超高級ドライヤー。市場想定は8万5000円前後とエアコンも買えるほどの強気の価格設定だ。水分発生量を従来比で最大10倍とした独自の微粒子イオンを採用したほか、利用者が髪の悩みに応じた手入れをできるメニューも搭載した。高性能ドライヤー市場の成長が著し…

パナソニックホールディングスが7月31日、業務用プロジェクター事業をオリックスに売却すると発表した。開催中のパリ五輪でも100台以上が使われ、数少ない世界トップの事業だった。だが大きな投資が難しく単独での成長が描きにくくなっていた。

日立製作所が家庭用空調「白くまくん」などを製造していた合弁会社の株を独ボッシュに売却し、製造を託す。そして、グループ内で相乗効果が見込めるビルやデータセンター向けなど業務用空調を強化する。だが国内は寡占市場であり、道は険しい。

富士通が株主総会で今年も社長が謝罪する事態となった。6月の株主総会では、英子会社の関わる冤罪(えんざい)事件や行政指導を受けたことに対し、時田隆仁社長が陳謝した。改革の総仕上げに入る時田社長のかじ取りには、ガバナンスと業績の両面で課題が残る。

ソニーグループが次世代HDDの基幹部品の量産を始めた。「2030年に数百億円の利益」(幹部)と期待は大きいが、実用化まで14年と時間がかかった。撤退の声も上がる中で実用化までこぎ着けた裏には、責任者の執念があった。

パナソニックは白物家電事業のてこ入れに乗り出す。中価格帯以下の製品を中心に中国勢などの台頭に押され、シェアを落としている。一方で高価格帯製品はシェーバーや食洗機などが人気を博し、一定の成果を出した。今後は高級家電の拡充と価格競争力の強化の二軸で収益増を目指す。

NECは5月、DX事業の新たなブランド「ブルーステラ」を発表した。システム開発から、コンサルティングなども含めたITサービスへとビジネスモデルの転換を進める。IT各社は、ブランディングを通じて従来型のビジネスから脱却を狙う。

パナソニックホールディングスの株価がさえない。PBRは解散基準の1倍割れが続く。就任から3年となる楠見雄規社長は「しびれを切らしそう」と話し、構造改革に本腰を入れる。持ち株会社化でも高まらない社内の危機感に焦りを覚える。

第2回

国産スマホ「AI特需」も取り損ね 貿易赤字は3兆円に

国産スマホの衰退が3兆円に及ぶ巨額の貿易赤字を生んでいる。反転攻勢の目はあるのか。契機となりそうなのは「AI×スマホ」。しかし日本勢の旗色は悪い。

ソニーグループが海外のアニメクリエーターを育てるアカデミーの設立の検討を始めた。赤字事業の整理を終えた今、事業拡大は市場全体の成長率に左右される側面が大きい。十時裕樹社長は「巡り巡って事業の成長につながる」と見る。

第1回

国産スマホ絶滅危機 シャープ・ソニー零落、グーグル猛進

国産スマホの零落が著しい。2023年は撤退が相次ぎ、ソニーやシャープにも厳しい逆風が吹く。その隙をつくように米グーグルはシェア2位へ躍り出た。さらにソニーやNTTドコモ卒の「元日本勢」も再び日本にねらいを定める。

パナソニックは販売後すぐに不具合が見つかった家電製品などを修理して「再生品」として販売する事業を始めた。価格は商品群などによって異なるが、新品と比べて約2割下げて販売する。同社は家電価格をメーカー側が決める「指定価格制度」を導入し、高機能製品の販売に注力してきた。再生家電販売は、…

ソニーグループが半導体事業で継続課金型の事業モデル構築に挑んでいる。AI(人工知能)を組み込んだイメージセンサーを軸に、工場や小売店など新しい市場で確立を目指す。ソニーG復活の鍵を握った継続課金は、半導体でも根付くか。

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