石渡嶺司大学ジャーナリスト
(写真:イメージマート)
18・19日に共通テストが全国で実施されました。
不正行為とみなされて成績が全科目無効となったのは全国で4人。
うち、北海道では机に数学の公式を書き込む不正行為がありました。
豪雪等で交通機関の乱れが懸念されていましたが、今年は東北地方ではそうしたトラブルはほぼありませんでした。
京阪電鉄の人身事故に伴い、京都・大阪の8会場では849人が試験開始時間の繰り下げとなりました。
ココがポイント
「数学」の試験で机への公式の書き込み(中略)高知県では開始の指示より前に解答を始めた(中略)終了の指示の後に解答を記入
本来であれば終了10分前に予告のアナウンスをすべきところ、試験監督が誤って終了すると告げた。試験監督はすぐに気づいて訂正
滋賀大学の試験会場では、試験前に氏名や受験番号などの記入するよう指示を怠るミスがあったとして、85人が再試験の対象
京都府と大阪府の8試験会場で最大1時間、理科の試験開始を繰り下げた。受験生849人が影響を受けたという。
エキスパートの補足・見解
鼻出しマスク騒動・問題流出事件(2021年)、東大前刺傷事件(2022年)など共通テストによる騒動・事件が注目された年もありました。
その点、今年はそこまで大きな騒動・事件がなく、無事に終了したと言っていいでしょう。
不正行為について、受験生本人が甘く見ているのは試験監督の指示無視です。
今年だと、福井県・大阪府の受験生各1人が「解答やめ」の指示後も解答を続けてしまいました。
また、高知県の受験生1人は英語(リスニング)の時間、試験監督の「解答はじめ」の前にICレコーダーを動かして解答を始めました。
どちらも、受験生からすれば「少しくらい」と思ったかもしれません。
実際、高校や塾・予備校によっては「少しくらい」を見逃しているところもあります。
しかし、共通テストでは募集要項でこの「少しくらい」も不正行為として認定しています。
そして、その「少しくらい」で全科目の成績無効という厳しい処分を受けることになります。
「少しくらい」と思わず、普段の高校や塾・予備校でも試験監督の指示にはきちんと従う習慣を付けておくべきでしょう。
大学ジャーナリスト
1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。 大学・就活などで何かあればメディア出演が急増しやすい。 就活・高校生進路などで大学・短大や高校での講演も多い。 ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。 主な著書に『改訂版 大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ/累計7万部)など累計33冊・66万部。 2025年6月に『採用のバカヤロー!』を刊行予定。
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