JRAは8日、積雪のため、同日の京都競馬開催を中止すると発表した。代替競馬は10日(月曜)に出馬表の内容を変更せずに開催する。 最近は天候不良となれば公正競馬の確保、人馬の安全、交通事情などを踏まえて中止にするケースが多いが、昔は少々の雪なら構わず開催を続行していた。 思い出されるのは1996年の京都競馬バイオレットS(ダート1400メートル)。すさまじい猛吹雪に見舞われ、YouTubeで確認しても完全にホワイトアウト状態。ただただ真っ白な画面が続く放送事故レベルのレース映像だった。 困ったのは当時のアナウンサーで、「どうやらスタートを切っているようです」、「20秒近くが経過しますので、向正面の中間あたりかと思われます」、「恐らくは3、4コーナー中間くらいに来ているものかと思われます」、「まもなく直線コースに向いてくるものと思われます」とほとんど“勘”で実況。それでも、何とかゴールまでしゃべり切り、上位入線馬をしっかりファンに伝えた。
担当したのは当時ラジオたんぱの広瀬伸一さん。ゴール後は「視界が取れません。大変失礼しました」と謝罪していたが、さすがはプロとうならせたスゴ技。今でもファンの間で語り草となっている名実況だ。