4日から日本海側を中心に大雪が予想されることについて気象庁と国土交通省は「緊急発表」を行いました。
この中で、気象庁気象監視・警報センターの細見卓也所長は「日本付近にこの冬一番の強い寒気が流れ込み、強い冬型の気圧配置となる。北日本から西日本にかけての日本海側の広い範囲で山地、平地ともに大雪となる見込みだ。強い冬型の気圧配置は数日続くおそれがある」と述べ、大雪による交通への影響や暴風、暴風雪、高波に警戒するよう呼びかけました。
国土交通省の担当者は「車両の立往生、道路の通行止め、公共交通機関の大幅な遅延や運休が発生し通勤・通学などに影響が出るおそれがある。テレワークの活用などを含め不要不急の外出を控え、予定の変更を検討してほしい」と呼びかけました。
また、国土交通省の担当者は「去年1月に名神高速道路で車両の立往生が発生し、通行止めの解除までに最大34時間を要した。警戒を十分にしてもらい慎重に行動してほしい」と述べたうえで、やむをえず積雪が想定される地域で運転する場合は、冬用タイヤの装着やチェーンの早めの装着、スコップといった冬用の装備を準備するなど対策を徹底するよう呼びかけました。
国土交通省の担当者は「大規模な車両の滞留を回避するため、予防的な通行止めを行うことがある。その際には高速道路と並行する国道が同時に通行止めとなることがある。う回や運行ルートの見直しをお願いしたい」と話しました。
また「運送事業者は冬用タイヤが装着されているか確認し、荷主もトラック事業者への運送依頼などについて大雪の状況を踏まえて控えることなどを検討してほしい」と呼びかけました。
気象庁は「今回、寒気を伴った気圧の谷の規模が大きく、北日本から西日本の日本海側を中心に広い範囲で影響が長引くおそれがある。先月8日にも大雪に伴う緊急発表を行ったがその時と比べて寒気が南下する。太平洋側でも風が吹き抜ける地域では積雪のおそれがある。どの地域でどの程度降るのかは風の向きや強さで変わる」と述べ最新の情報を確認するよう呼びかけました。
寒気の影響が長びくと予想される理由について、気象庁は「偏西風が日本付近で大きく蛇行することで上空の非常に強い寒気を伴った低気圧の動きが遅くなる。このため、次々と寒気が流れ込み影響が長期間続く見込みとなった」と説明しました。
また「能登半島では4日から今月6日にかけて大雪のおそれがある。また、海上を中心に雪を伴って非常に強い風が吹き海上は大しけとなる見込みだ。能登半島地震で損傷した家屋は雪で倒壊するおそれがあるほか海岸施設が損傷した場所では波で浸水するおそれがある」と述べました。
そして「最低気温が氷点下の冷え込みが続く見込みで体調管理に注意してほしい」と呼びかけました。
今後の見通しについて、気象庁は「目先は今月6日までが大雪や暴風雪、波浪の1つのピークと考えている」と述べました。また、4日から6日ごろにかけて、帯状の雪雲を作り出す「JPCZ」の影響で活発な雪雲が断続的に流れ込む見通しを示したうえで「東北の日本海側から山陰に影響し局地的に雪の降り方が強まるおそれがあり、警戒が必要だ」と述べました。
さらに今回の寒気について、場所によっては数年に1度程度の強さとなる可能性があるとしたうえで、8日以降も数日間は寒気の流入が続く可能性があるとして注意を呼びかけました。