「春になったら」で元写真部員を演じたのを機に興味を持ち、誕生日にメンバーからプレゼントされた向井康二セレクトのカメラは、「バルセロナから帰ってきたあと? そーんなあ、まあまあ、……充電がいまないです(笑)」[撮影:蜷川実花/hair & make up MAIMI/styling 三島和也(Tatanca)/costume Ayne doppio]
この記事の写真をすべて見る31日放送の「それSnow Manにやらせて下さい×黄金のワンスプーン合体SP」(TBS系・午後7時)は、Snow Manの冠番組「それSnow Manにやらせて下さい」とSnow Man宮舘涼太の単独MC番組「黄金のワンスプーン!」を合体したスペシャル。「黄金のワンスプーン!」では、宮舘がゲストの磯村勇斗とともに、千葉県の多古町を訪れ、大和芋の収穫に挑戦する。二人が作る料理を食すのは磯村の友人でもあるSnow Man深澤辰哉だ。ドラマやバラエティで活躍を広げる深澤辰哉の過去のインタビュー記事を再掲する(「AERA dot.」2024年10月28日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時のもの)。
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「托卵」をテーマにした大人の恋愛ドラマ「わたしの宝物」に出演中のSnow Man深澤辰哉。難しい役柄に挑戦する一方、“バラエティ担当”では「いじられキャラ」を確立している。本人の思いは。AERA 2024年10月28日号より。
「自分が恋愛、しかもちょっと大人の、っていうのは想像していなかった」と語る深澤辰哉。たしかに重いテーマの恋愛ドラマ出演には少々驚かされたが、想像もしなかったというのは意外にも感じられる。
「あ、ないない(笑)。自分のなかで全然見えなかったですもん。『今日からヒットマン』(昨年10月期に出演)みたいに激ふざけか、『春になったら』(1月期に出演)みたいなちょっと人間味のあるものか……、あとはもう一個、医者とか、前にやった刑事(20年「記憶捜査~新宿東署事件ファイル~」)みたいなキャラが入ってる役は、これから先できたらいいなと思ってたけど、ラブだけは想像してなかったですね」
グループ一の“リアコ”──アイドルなのにリアルに恋してしまう存在の名をほしいままにする深澤の印象は、決して恋愛から遠くはないが、
「いや、でも、それはあくまでも、めちゃめちゃ素がたまたま(笑)、そう言われているだけで、別に自分がリアコだとは思ったことはないから。YouTubeもすっぴんで出ちゃうし、変顔もめっちゃするし、それのどこがリアコっていうの?って感じ。ま、モテるけど(笑)」
「いじられキャラでよかったな、って」
この、いじってくださいと誘わんばかりの絶妙な受けのやわらかさは、愛される理由のひとつだろう。深澤が現在のような、いわゆる「いじられキャラ」を確立したきっかけが先輩の助言だったというのは知られた話だが、高校時代に伝説ができたほどモテる人気者が三枚目のキャラクターを受け入れるのは、並大抵のことではないと思わせる。
「歌って踊れるって、うちの事務所では当たり前で、必ずやっていくこと。成長してそれぞれキャラクターを、例えば阿部ちゃんだったら頭脳とかね、立てていくなかで、自分のキャラクターがつかめなくて。MCは自分が昔からやってきたことだけど、MCって、キャラではなくて、自分の役割だと思ってて。
20歳とかだったかな、いじってもらえるようになって。やっぱり最初はね、どう反応していいかわからなくて、ちょっとつらかったけど、いじられることによってお客さんが笑ってくれるの、面白いな、気持ちいいな、と思って。だから、受け入れるというか、自然に、ですね。これが自分のキャラクターで、ここが自分のいやすい場所なのかも、って理解できたから、自然に落とし込めたなっていう。
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それに、いじる側もめちゃめちゃ難しいと思うんですよ。やっぱり誤解されやすい。当時はコンプライアンスもそこまで厳しいわけじゃなかったから、いじり方によっては、その人が悪く見えてしまう。でも、自分をどうにか立たせてくれようとしているっていうのは感じていたし、こっちの、受け手のリアクション次第で、見え方が変わっちゃうから、いじってくれた人が悪く思われることが絶対にないように、っていうのは、ずっと意識していました」
もしもいまいじられてちょっとつらい思いをしている人から、アドバイスを求められたら?
「俺、思うんですけど、いじられるっていうことも、一個の個性だなって。いじるイコール気にかけてくれているというか、たぶん、その人なりに自分のことを大事にしてくれているからだと思う。いじってくる子って、自分が仲いい子だったりするし、たぶん、俺のことをその人なりに理解してくれているから。
もちろん内容によりますけど。さすがに、すっごい悪口は絶対ダメですよ。ほんとにつらいときは、ちゃんと相手に伝えたほうがいいけどね。でも、いじられてまわりが笑ってくれるの、すごくいいなと思いますけどね。逆にそういう人のほうが仲良くできそうな気がする、俺は(笑)」
最初に全部話すことで
実際、隔週レギュラーで出演中の「ノンストップ!」司会の設楽統にしても「有吉の夏休み」などで共演する有吉弘行にしても、深澤をいじりながらかわいがっている様子が伝わってくる。よく自身を人見知りだと口にしているが、ドラマの共演者とも仲が良く、番組終了後も交流が続いている様子が窺える。コミュニケーションの秘訣は?
「俺はもう、初めて会った人にも、いじってください!って感じでいきますから。いじってくれ、とは言わないんですけど、もう最初に、何から何まで全部、自分のこと話します。で、知ってもらう。そうすることで、なんか面白いと思うところがあったら引っ張ってくれるかもしれないし、それがきっかけで、相手も自分のことをしゃべってくれたりするのかなって。だから、先に全部自分のことを話すのが、俺はコミュニケーションツールです。本当に何から何まで、いままでこんな馬鹿なことしてましたとか、もう死ぬほど金使いますとか(笑)」
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周囲から愛されるもうひとつの理由は、そうして自分を飾ることなくさらけ出すからでもあろう。と同時に、深澤自身の愛情が深いからでもありそうだ。特にメンバーに対しては、出演映画や演出舞台を本人と一緒に見に行ったり、さりげなくその告知をしたりすることも多く、振り返ればデビュー直後、向井康二から弊誌連載取材中に聞いた写真にまつわるエピソードに深澤の存在の大きさを感じることが幾度もあった。と伝えると、間髪入れず、「うざいですけどね、いまとなっては!」と、いい笑顔が返ってきた。
「まあ、そうね、自分でも面倒見たなって思いますね(笑)。いちばんはもちろんね、馴染んでほしいって感じてたかな。その当時、すごい頑張ってて。いまももちろん頑張ってますけど(笑)、なんか一人ね、ラフに話せる人が先にできれば、康二も楽になるのかなとか思って。まあでも、俺は別に、好きでやってるだけだから。この人いま大変なんだろうなとか、もちろん気にはかけていたけど、だからご飯に連れてってるってわけではなかったな」
その在り方は、いま、YouTubeチャンネル「放課後 GAMING LIFE」や、後輩グループ、はてはメンバーが出演しているドラマの現場にまで差し入れをしていることともつながっているかもしれない。
「俺はあんまり意識してやっているわけではないですけど、自然に……なんか、かっこつけんのやだな(笑)。でも、ナチュラルに、自分の性格はそうなんだろうなと思います」
深澤が最後に口にしたのも、グループとファンのことだった。
「今年もね、それぞれ個人でもお仕事いろいろやらせてもらって、Snow Manとしてもいろいろ活動してきましたけど、この下半期は、アルバムも、5大ドームツアーもあるから、個人もそうだけど、Snow Manとしての活動も、よりクオリティーの高いものをみなさんに届けられるようにしたいなと思いますね。自分たちがやりたいことを叶えてくれる、みなさんに感謝だなと思います」
(構成/編集部・伏見美雪)
※AERA 2024年10月28日号より抜粋