ローソンは3日、弁当や菓子など一部商品を増量するキャンペーン「盛りすぎチャレンジ」を始めた。24日まで、対象商品を入れ替えながら弁当やラーメンなど31品目で、重量や具材を約47%増量する。価格据え置きの「実質値下げ」で、お得感をアピールする。
増量キャンペーンは新規客の来店のきっかけになっているといい、梅田貴之・理事執行役員は「通常セールよりも効果が高い。お得感とワクワク感の両輪で支持されている」と話す。
ファミリーマートも昨夏以降、増量キャンペーンを実施した。ニンニクや背脂などを増した商品「背徳のコンビニ飯」も人気を集めた。嗜好(しこう)品としてアピールしたことも奏功した。
価格戦略で苦戦したのが、最大手のセブン―イレブン・ジャパンだ。「『セブン―イレブンの価格は高い』という印象」(同社幹部)が広まり、2024年上期に既存店客数が前年を割り込むことが増えたため、24年9月に「うれしい値」と銘打ち、弁当や総菜で低価格帯の商品を充実させた。
一連の価格戦略で、コンビニの来店客数は昨年10~12月、3か月連続で前年を上回った。
だが、原材料価格の高止まりで戦略の見直しを余儀なくされる社も出ている。
セブン―イレブンは今年1月、「うれしい値」の対象商品も含む一部の弁当やおにぎりなどを値上げすると発表した。ファミリーマートは4日から順次、一部の弁当やおにぎりなどを3~22%値上げする。
大手コンビニの関係者は「価格維持は限界に近い。価格と品質のバランスを取りながらどのように消費者に訴えていくかがポイントになる」と話す。